第6章 しあわせ
「そういうわけで山本くん有名人だね」
次の朝、昨日の部活での話を山本くんにしてみた。
「ふ…別に俺はさやかちゃんにだけモテてたら充分だけどね…」
山本くんがちょっとカッコつけて言う。
別に私、モテてたとか言ってないけど。
「それでさー、わたし知らなかったんだけど、成績2番の人って男バスの人なんだって。バスケも上手くて文武両道すごいねって話になって…」
「文武両道?」
彼が私の話をさえぎる。
「さやかちゃん勘違いしてるかもしれないけど、俺は決して運動苦手ではないよ。体育の成績は4だよ。3じゃなくて4だよ。勉強の方が得意ってだけだよ」
彼が熱弁する。そ、そうなんだ。
「それで何? その男バスのヤツはカッコいいの?」
彼がちょっと不機嫌な声で質問する。
「さぁ…。実はわたしまだその人がどの人か認識してなくて。今度見とくね」
「別に見なくていいっ」
その後、イマイチ会話が弾まず学校に着く。
嫉妬してるのかな?
カワイイっていうか…めんどくさ。
でも…やっぱり可愛い。