第16章 どう思う?
高2の2学期が始まった。
女子バスの先輩はほぼ引退した。
私は副キャプテンになった。
相変わらずレギュラーではないんだけど。
私は中学からバスケをやってるし、後輩に割と懐かれてるからかな。
顧問の先生には学業の方もしっかりやるように釘をさされた。
副キャプが赤点で退部とかシャレにならないもんね。がんばろ。
……
部活終わりにキャプテンと一緒に先生に呼ばれた。
いつも一緒に帰ってるリナ達には先に帰ってもらった。
キャプテンはチャリ通だから部室の前で別れた。
久しぶりに一人で帰るか…
と思ったけど、一応見に行ってみようっと。
生徒会室の前で、まだ人いるかな…って様子をうかがってみる。
ガラッ
生徒会室の扉が開く。
祐樹だ。
「あれ?」
彼が私の顔を見て、ちょっと微笑む。
私もニッコリ微笑んで声をかける。
「今、帰り? 一緒に帰ろう」
「うん」
嬉しそうに彼は頷いた。
…
「今頃だったよね。初めて一緒に帰ったの」
歩きながら彼が話す。
「うん! 覚えててくれたんだ」
嬉しくて、私は彼の顔を覗く。
「そりゃ…覚えてるよ。嬉しかったから…。憧れのさやかちゃんが俺に話しかけてくれて」
ちょっと恥ずかしそうに彼が言う。
「え…憧れの? マジで?」
私はちょっと笑う。
「マジだよ。足長くて、スタイル良くて、可愛くて、友達いっぱいいて…。
高校に入ったらこんな子いるんだ。高校ヤバイって思った」
「あはは。そんなにほめられたら嬉しいな」
私は恥ずかしくなってヘラヘラする。
そんな私を見て、彼が優しく微笑む。そして言う。
「全部、本当だよ」
「ありがとう」
私はうつむいて、彼の手をそっと握る。