第15章 夏休み
その後、祐樹に家に送ってもらった。
だけど、まだ一緒にいたいって言って私の部屋に寄ってってもらった。
ワガママばかり言って嫌われたらどうしようと思うけど…どうしても一緒にいたいから…。
「今日のさやかちゃん、甘えんぼだね。体調悪いからかな」
祐樹が私のこと、抱っこしてよしよししてくれる。
「うん…」
何も言えなくて、私はただ頷く。
「嬉しいよ、俺。さやかちゃんがこんなに俺と一緒にいたいって思ってくれて。
俺もさやかちゃんとずっと一緒にいたい。一生」
一生…。
「俺、さやかちゃんと結婚するつもりだから。
長い人生の中で5、6年離れて暮らすぐらいたいしたことじゃないよ」
私はちょっと顔を上げる。
彼が私の頬をそっと撫でる。
「俺、大学行ってもちゃんと勉強して、ちゃんとした仕事して、いっぱい稼ぐよ。
だから結婚しよう。絶対幸せにする」
すごくビックリした。
ビックリしたけど…私は頷いた。
彼はちょっと照れくさそうに微笑んだ。
私が好きになったあの顔で。
彼は話を続ける。
「なんか子供っぽいこと言ってると思うかもしれないけど…。
この気持ちは確かだよ。
俺にはわかる。
5年後も10年後も…50年後も。
さやかちゃんのことが好きだよ」
「うん…」
私は特に何も言えずに、ただ頷いてた。
「ね…。これからもずっと一緒だよ」
そう言って、祐樹は私をぎゅっと抱きしめた。
私は何も言わないで、ただ抱っこされてた。
ただ私も祐樹の背中をぎゅっとしただけ。