第14章 変わった
どうしよう。怒ってるかな山本くん。
なんて言って戻ればいいかな…。
山本くんの家の前まで来たけど、どうしたらいいかわからない。
とりあえず電話かけよ…。
プルル…
「あ…もしもし山本くん…」
『さやかちゃん、どうしたの?』
普通の優しい声…。
「戻ってきちゃった…」
なんて言えばいいかわからなくて、そのままの状況を伝える。
『そっか。俺、今コンビニの帰り。もうすぐ家着くからちょっと家の前で待ってて』
出掛けてたんだ。意外。電話してよかった。
すぐ山本くんが帰ってきた。
「ただいま」
山本くんが言う。
私もちょっと迷ったけど言う。
「ただいま」
彼がニッコリ笑って応える。
「ちょうどよかった。さやかちゃんの好きなプリン買ってきたから食べよう。一緒に」
「うん」
部屋に戻って一緒にプリンを食べる。
コンビニの袋の中にはプリンが2個とサイダーが1本入ってた。
山本くんもプリンは好きだけど…
やけ食いとしても2個いっぺんに食べるとは思えないから…
私が戻ってくるって最初から思ってたのかな?
「山本くん、ごめんね」
私は謝る。
「うん。俺もごめん。もっと丁寧に話するべきだった…お互いね」
そう言って彼はニッコリ微笑む。
私もちょっと笑って頷いた。
今日のプリンはいつもよりなんか美味しいな。