第20章 -東京タワー-
「うわ…っ。なにこれ…すごい‼︎」
オレ達の目の前には、
自分達の街の明かりが広がり、
少し遠くに東京タワーが
赤く輝いていた。
「すごいすごい‼︎修造すごいね‼︎
すごい‼︎キレ〜イ‼︎」
ひかりは屋上を駆け出し、
フェンスのギリギリまで行く。
…ったく。
さっきまで不安そうだったのにな。
ゆっくり歩いて、ひかりの横に行く。
「キレイだなー。」
「うん!すごい‼︎東京タワーも見える!
なんでこんなトコ知ってたの?」
「昔さ、
まだ光平と笑未も生まれてない頃、
親父が連れてきてくれたんだよ。
今日と同じ順番でさ。
芝公園で桜見て…
東京タワーのぼってさ。」
「いいね。そういうの…」
ひかりは夜景とオレを交互に見ている。
「その日、親父とお袋の
なんかの記念日だったらしくて。
付き合った記念日だか、
プロポーズした日だか…。
ま、東京タワーおりたあとは、
東京タワーが見えるホテルの
レストランに行ったんだけど…。」
「ステキだね、お父さん♪」
オレだってほんとは連れてきてぇよ。
「今日はココで我慢しとけよ?
いつか連れてくから。」