第20章 -東京タワー-
「よし。全部食ったよな。行くぞ!」
ひかりの手を取って立ち上がった。
電車は比較的空いていて、
オレ達は地元に戻った。
「まだ時間大丈夫だろ?」
オレは家とは反対側の出口から出た。
「修造?逆だよ?どこ行くの?」
「ん?いーんだよ。」
オレは目当ての古いビルまで来た。
「ちょっ⁈こんなトコ入るの?
入れないでしょ?
それになんか不気味だよ…。」
「だーいじょうぶだって。」
オレはひかりの手を取り、
そのままエレベーターに乗った。
押したボタンは最上階。
「ねぇ。修造ってば。
ほんとにドコに行くの?」
エレベーターの中でも
不安そうなひかり。
まぁ、エレベーターも古いから、
ガタガタいってるしな。
オレはひかりを黙らせるために、
ひかりにキスをした。
「いーから。ちょっと黙ってろ。」
「…っん。
キスしてる場合じゃないでしょ?」
ちぇーっ。
ちょっと甘い声出てたのになー。
そんなことしてる間に最上階に着いた。
最上階のフロアから、
オレは非常階段の入り口に入り、
セキュリティのロックを解く。
「修造ってば。そんなことしたら…」
「よしっ。ひかり!行くぞっ。」
オレはひかりの手を取り、
屋上へ続くドアを思い切り開けた。