第3章 -ライバル-
「おう!虹村、元気そうだな。」
「はい。平澤さんも。」
「平澤くん!おしゃべりしてないで、
皆に配るー。ほら、早くっ‼︎」
ひかりさん…相変わらずだな。
平澤さん、使うなんて…。
他の人じゃぜってぇ無理…。
「さっき言ってた差し入れっすか?
残ってる奴らに取りに来させますよ。」
俺は、残ってる奴らを呼んで、
差し入れを配らせた。
差し入れはシュークリームだった。
「練習後に甘すぎるかなぁって
心配だったんだけど、
うちのお店のシュークリーム、
けっこう美味しいから、
皆にも食べてほしくて♪」
ひかりさんは高校に入ってから、
駅前のケーキ屋でバイトしてるらしい。
駅前っていつも通るじゃねーか。
ぜんぜん知らなかった…。
ま、ケーキ屋なんて行かねぇけど…
「やったー‼︎いっただっきまーす。」
「ムッくん、取りすぎー」
紫原が一番に食いつき、
他の奴らも騒ぎながらも、
うまそうに食ってる。