第16章 -デート-
「ごめんね。
何も言わないで連れて来て…。」
「ん?…あぁ。」
まぁ、あれだ。
いろんな意味でビックリしたが…
「なんで病院なんだよ?まさか…」
ひかりと病院を繋ぐものは、
膝の怪我しかない。
「1年に1回ね、検査してるの。
今日は検査結果が出る日で…。」
淡々と話していたが、
いつのまにか、
ひかりはオレの手を握っていた。
「たぶん大丈夫なんだけどね。
1人で聞くの…いつも怖くて…。
修造に一緒にいてほしいの。」
「お前アホか?そんなん先に言っとけ。
いつでも一緒に聞いてやるから。
おらっ…らしくねーぞ!
今日、しおらしすぎ‼︎調子狂うから。」
オレはいつになく
おとなしいひかりに
わざと乱暴なことばをあびせ、
頭をポンポンとしてやった。
まだほとんど電話やメールだが、
いつもしっかりしていて
強いと思っていたひかりは、
思いのほか脆い所もあると、
付き合ってみて感じた。