第16章 -デート-
「じゃ、明日の2時に
駅前に集合でもいい?
付き合ってほしい所があるの。」
「あー。わかった。」
2時ならなんとか間に合うな。
ひかりの家の前まで送り、
オレはひかりにキスをした。
ひかりの親は共働きなので、
遅い時間でもいないことが多い。
でも、ひかりは、
「修造の帰りが遅くなるから」と、
オレを家に入れなかった。
オレはしかたなく、
帰り際のこのキスで我慢する。
「じゃ、明日な。」
「修造っ!」
帰ろうとすると、
ひかりに呼び止められたので、
オレはひかりを振り返った。
……チュ。
…っ⁈
振り返った瞬間、
オレはひかりにキスをされていた。
いつもより長いキス…。
ひかりのほうから
キスしてくるなんて珍しい。
「シュウちゃん…明日…絶対来てね。」
この「シュウちゃん」は、
お願いのほうで間違いない…
…が、
オレはなんだか落ち着かなくて、
何度もひかりのほうを
振り返りながら帰った。