第15章 -試食会-
「わぁ。美味しそうっ♪」
昼休み…家庭科室に呼ばれていたのは、
オレ、赤司、緑間、
青峰、紫原、黒子の6人。
桃井が嬉しそうに
瓶詰めを出してきたが、
思ったより瓶の数が多い…。
「いっぱーい♪」
「全部失敗していたらどうするのだよ?」
紫原は単純に喜んでいたが、
緑間は少し固まったまま、
ボソッと本音を呟いていた。
「もし失敗していたら、
青峰くんに責任取って
全部食べてもらいましょう。」
「テツ⁈なんでオレなんだよ?」
「青峰くん?どうしたの?」
せっかく黒子も小声で言ったのに、
青峰だけはデカイ声で話すから、
桃井がキョトンとして青峰を見た。
「随分たくさん作ったんだね。
全部2人で作ったのか?」
ビクビクしているオレらをよそに、
赤司はとても大事な質問を
桃井に投げ掛けた。
「うん♪はちみつの加減とか
味付けはひかりさんに
見てもらいながら作ったよ〜。」
桃井のそのことばに
オレらは全員安堵して、
改めて瓶詰めに視線を集めた。
1つの瓶詰めが開けられる。
見た目は普通だ。
さっき1度安堵したはずなのに、
瓶が開けられた瞬間、
オレ達はやっぱり身構えていた。