第11章 -”蜂”合わせ-
黒子を見た時よりも
大きな叫び声をあげたひかりさんは
慌ててワイシャツを着て、
制服を整えていた。
「……もう…いいよ。」
声のトーンが低い。
怒ってる…よな。
だが、あれは不可抗力だ。
だいたい”男子”バスケ部の
部室で着替えている
ひかりさんのほうが悪い。
「……すみません。
でも、なんでここで
着替えてたんですか?」
ひかりさんのほうに向き直り、
一応謝ってから、ひかりさんに尋ねた。
「赤司くんが…もう誰も来ないし、
ここで着替えていいから、
職員室に鍵を戻しておいてほしい…って。」
赤司が…?あいつ…
「女子更衣室遠いし、
誰も来ないならいいかなって
思ってたんだもん…。
ノックくらいしてよー。」
恨めしそうにひかりさんが言うけど、
部室入るのに、
いちいちノックなんかしねぇし。