第9章 -レモン-
「あの…ひかりさん。」
「…⁈きゃあっ‼︎
あ、ごめんね。えっと…
(たしか交流戦の時の…
パスする…消えちゃうコ??)」
「あ、テツくーん♪」
さすがのひかりさんも
黒子には驚いたようで、
いつもよりあたふたしていた。
ま、当たり前か。
オレでもたまにびっくりする。
「あの…これ。」
黒子は自分の携帯を
ひかりさんに差し出した。
黒子に抱きついて、
桃井も一緒に見ている。
「……?これ…なぁに?」
ひかりさんが固まる。
「えー?ひかりさん、
何言ってるんですか〜?
レモンのはちみつ漬けですよ♪」
ニッコリする桃井に対し、
これでもかってくらい
青ざめたひかりさん…。
オレは思わず吹き出してしまった。
黒子は以前
桃井のレモンのはちみつ漬けの
写メを撮っていたらしく、
丸ごとレモンが浮かんだ
なんとも言えないアレを見て、
ひかりさんは絶句している。
「えっと…うん…そうだね…えっと…
何から言えばいいんだろう…。」
青ざめたひかりさんは、
なにやらブツブツ言っている。