• テキストサイズ

〜虹村 修造のお話〜

第9章 -レモン-


「うーんと…さつきちゃん。
さつきちゃんは
コレを食べようと思ったら、
どうやって食べるかな?
パクンてかぶりつく?」


少し落ち着きを取り戻した
ひかりさんは、桃井に優しく尋ねた。


「えっとー、
ナイフでカットしますかね。」




じゃあ、最初から切っとけよ‼︎



きっと部員全員、
心の中で同じツッコミをしただろう。


「そうだね。
でも、今みたいな休憩時間や
試合の合間だったら、
皆ナイフ使えないでしょ?
ナイフあってもやっぱり手間だし…。
疲れてる皆が食べやすいように
作る側がひと手間かけて、
食べやすくしてあげたら、
皆もっと喜ぶんじゃないかな?」



いや、レモン丸ごとの前に、
もっと色々何かがおかしいと
オレは思ってるんだが…。



ひかりさんは、桃井の料理の腕を
責めるのではなく、”皆のために”と、
桃井を傷つけない言い方をした。



「たしかにー‼︎
カットしてあるほうが
すぐ食べれていいかもー。」



いや、当たり前なんだが…。




「簡単だし、さっそく作ってみようか。」



その後2人は、
レモンとはちみつを大量に買ってきて、
家庭科室で、
急遽、料理教室を開催していた。


ひかりさん流だと、
3日漬けておくらしく、
食べられるのは火曜日らしい。



桃井も一緒に作ったと思うと、
多少不安だが…。

/ 336ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp