第8章 -土曜日限定-
2人は、練習が始まるまで、
保健室で何かするらしく、
楽しそうに話しながら、行ってしまった。
まったく本当に
いつの間に仲良くなったんだ?
とりあえず、オレは着替えて
自主練を始めた。
午後練開始30分前…
ほとんどの部員が集まりだし、
ひかりさんと桃井も
体育館に戻ってきて、
色々準備を始めていた。
もちろん、部員たちは
ひかりさんの存在に気づく。
「あー!ひかりちんじゃーん。
今日も差し入れー?」
「残念でしたー。
今日は差し入れありません。
毎週差し入れしてたら、
わたし、破産しちゃう(笑)」
(なんでやっぱり
ひかりちんなんだろう…?)
「毎週?」
ひかりさんが紫原と話していると、
ひかりさんのことばに緑間が反応する。
緑間は、今日のラッキーアイテムであろう、
ウサギの人形を持っていた。
「(ウサ…ギ??)」
何も知らないひかりさんは、
目をパチクリさせて緑間を見つめている。
あとで教えてやるか(笑)
「ひかりさんに、
怪我の応急処置やマッサージについて
教えてもらうことになったんだよ。
土曜日の練習に参加してもらうんだ。
主にマネージャー業務になるから、
教えてもらうのは桃井だがな。」
それを聞いた部員たちは歓声をあげた。
「ひかりさん、よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくね。」
赤司が丁寧に挨拶をすると、
ひかりさんはニッコリ笑顔で返事をした。