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〜虹村 修造のお話〜

第54章 -旅立ち-


空港までの直行バスであっという間に
空港へ着いてしまう。



かなり時間を持て余すことになる…




そんなに腹はへってなかったが、
昼飯を食ってなかったコトを思い出して、
マジバに入った。



ひかりとも行ったよな…



またひかりのコトを思い出しながら、
注文をして、財布を出す時に、
ふと見覚えないのないものが目に入った。


「お客さま…?」


「あ、すみません。
Aセットで、飲み物はコーラで…」


パスポートケースに、
入れた覚えのない封筒が入っていた。



なんだ…⁈



席について、ハンバーガーを食うよりも先に
オレはその封筒を取り出した。





「修造へ。」




封筒の表に書いてあるオレの名前…


誰の字だかもちろん一目瞭然だった。


ひかりだ!


オレは急いで中身を取り出した。


『修造へ。


この手紙を見てるというコトは、
もう搭乗口通ったのかな?


わたしは泣いてなかったかな?
笑顔でお見送りできたかな?


最近ね、運動部の男のコたちの集団見ると、
修造がいるんじゃないかって、
つい探しちゃうの。


もちろんそこに修造はいなくて、
でも、家に帰ったら
修造はいるんだって思うと、
すごくすごく嬉しくて…。


今日はこんなことがあったとか、
こんなもの見つけた…とか、
修造に教えたいことや見せたいものが
たくさんたくさんありすぎて、
わたしは家で喋りすぎてたかな?


修造、引いてなかった?


クリスマスにお買い物した時に
店員さんに絡まれた?時とか、
青峰くんや灰崎くんとか、
いつも気をつけろって
修造は気にして心配してくれてて、
わたしのこと、か弱い女のコみたいに
大事にしてくれてるんだなぁって思うと、
すごくすごく嬉しかった。


でも、わたしのことばも仕草も、
わたしのすべては、
修造のためだけにあるから。


心配しないで。


クリスマスや誕生日、
特別な日に一緒にいられたこと、
もちろん嬉しかったけど、
そんな特別な日なんかいらないくらい
修造との毎日がわたしの宝物だよ。


修造に抱き締めてもらうと、
本当に本当に安心したの。


修造に抱き締めてもらった
温もりは消えないから、
離れててもね、それは変わらないよ。


だから、心配しないでね。





大好き。



ひかり』


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