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〜虹村 修造のお話〜

第54章 -旅立ち-


おじさんとおばさんには、
ひかりに本当の出発日を言わないことは
事前に話してあった。


「それは、修造くんが
ひかりの泣く姿を
見たくないだけじゃないの?」



おばさんの鋭いことば。



「そうですね。
そうじゃない…と言ったら嘘になります。
でも、ひかりは…
オレの姿が見えなくなるまで、
絶対泣かないと思うんです。」


娘の彼氏がとんでもないことを言う…
そう思ってもしかたないのに、
おじさんとおばさんは、
途中で口をはさむことなく、
オレの話を聞いてくれた。


「ひかりと1分1秒でも長く
一緒にいたいけど、
ひかりはオレといる間は絶対に泣かない。
これから、たくさん我慢させるのに、
オレのせいで、
泣くコトまで我慢させるなんて…
させたくないんです。
勝手だってわかってます!でも…」


「好きにしなさい。」


そう言ったのは、意外にもおじさんだった。


「あなた…‼︎」


「でも、ちゃんと向こうに着いたら、
たくさんひかりと連絡取り合って、
少しでもひかりの淋しさを
和らげてやってくれるか?」




おじさんはオレから目をそらさずに
そう言った。



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