第52章 -旅行-
チャプ〜ン………
はぁぁぁぁぁ。
ドキッとしたのはこっちだっつーの!
残念ながら、ひかりと別れ、
オレはおとなしく
男湯で温泉につかっていた。
ほんとに1泊大丈夫かよ⁈
ひかりの浴衣姿が頭をよぎる。
風呂上がりとか…
オレ、自信ねーぞ…。
まぁ、ひかりもだいぶ意識してたけど、
風呂行く頃には
そんなんすっかり抜けてたしな…。
気持ちよかったが、
オレは早々に温泉を出た。
まだひかりは出ていなかったが、
そんなに待たずにひかりも出てきた。
ひかり
「ごめんね。待った?」
…っ⁈
虹村
「いや…そんな待ってねーよ。」
想像してはいたが…
ひかりの風呂上がりの浴衣姿は、
想像以上にヤバかった。
急いで出てきたのだろう。
無造作にまとめられた半乾きの髪…
なんか付けてんだろうけど、
クリームのいい匂いとか、
浴衣の胸元とか…
何もかもがオレを刺激した。
ひかり
「修造?どうかした?」
虹村
「…⁉︎や…別に…。」
ひかりの浴衣姿に見惚れてた…
なんて言えるわけがない。
ひかり
「あ!今度は上前大丈夫だね。」
ひかりはオレの浴衣を確認し、
浴衣の胸元をピッと引っ張った。
…っ⁈
ひかり
「あ…まさか、わたしが逆?」
オレが黙っていたからか、
ひかりは自分の胸元を見ていた。
虹村
「ちげーよ。おら、部屋戻んぞ。」
ひかり
「…?はぁい。」
オレはひかりの手を取った。
ひかり
「…っ⁈修造…?」
虹村
「なんだよ?」
ひかり
「あ…手…繋ぐから…。」
虹村
「手くらいいいだろ?」
男湯にいたおっさん達が
数人出てきたのが、
なんとなく気になっていた。
ひかり
「あ!卓球がある!」
少し行ったトコに卓球台のある
部屋があった。
虹村
「やっぱどこでもあるんだなー。」
ひかり
「修造!やろうよ!」
ひかりはやる気満々だった。
虹村
「は⁈風呂入ったばっかなのに、
また汗かくだろ?」
ひかり
「えー⁈」
…ったく。子どもかよ。
呆れてしまうが、
少しふくれるひかりも可愛い。
虹村
「もうすぐ飯だろ?飯食ったらな。」
ひかり
「うん‼︎」
ひかりの嬉しそうな表情だけで、
オレは腹いっぱいの気持ちだった。