第50章 -勝負!-
そっから意気投合したのか、
いつのまにか桃井まで加わり、
女連中はおしゃべりを始めていた。
前にひかりが部活に
顔出した時もそうだったけど…
ひかりの順応性?というか、
誰とでもすぐ仲良くなれるトコは…
スゴイ。
店主
「で、兄ちゃんたち、
誰からやるんだ?」
あ…すっかり忘れてたな。
店主にそう言われ、
投げる順はジャンケンで決めた。
青峰→宮地→オレ
この順番で投げるコトになった。
青峰
「ま、余裕だな♪」
青峰がボールを持つ。
青峰
「ボール小さくて持ちづれぇな。」
青峰はボールの感触を確かめるように
ボールをクルクル回していた。
青峰
「うしっ!やるか♪」
青峰はもちろん
1番高得点のリングを狙う。
スパッ…
スパッ……
さすがだな…。
青峰は外すどころか、
リングの縁に当てるコトもなく、
キレイにシュートを決めていく。
ふ/み
「すご〜い!」
ギャラリーや宮地の連れの姉妹も
ポカンとして青峰を見ていた。
今のところ8/8…
1本も外していない。
しかも全部1番高得点のリング…
⁇
「なぁなぁ!
あっちの露店に堀北まいちゃんの
限定写真集があるクジやってるって!」
⁇
「マジ⁈行ってみよーぜ。
あれ、ちょーレアで買えなくて、
ネットとかでちょー高値付いてたぜ!」
青峰
「…っ⁈」
ガタタン…ッ
青峰
「あ…っ‼︎やべ…っ‼︎」
それまでの連続ゴールがウソのように
青峰は9本目を外した。
「「あ〜〜〜」」
連続ゴールが途絶え、
ギャラリーからため息が漏れる。
桃井
「青峰くん!
ちゃんと集中しなさいっ!」
青峰
「うっせ‼︎」
青峰…
堀北まいに反応してたな…。
それがわかったのか、
ひかりもクスクス笑っていた。
青峰
「ちっ…まぁ、1本くらいな。」
⁇
「なぁ!まいちゃんのヤツ、
クジもう少ないらしいぜ。」
⁇
「少ないってコトは、
当たる確率高くなってるよな!
早く行こうぜ!」
青峰
「…っ⁈」
ひかり
「青峰くん?」
青峰の動きが止まった。
…どうした?
青峰
「とりあえず今8ゴールだろ?
オレ、もう行くわ!」
桃井
「ちょっ…青峰くん⁈」
青峰はラスト1投を放棄して、
行ってしまった。