第49章 -初詣-
神社に着くと、本堂のほうではなく、
神社の裏手にまわった。
そっちに神主の家があるらしい。
ピンポ〜ン♪
ひかり
「こんにちはー。露木です〜!」
オレが栗きんとんを持っていたので、
オレも一緒に入った。
神主妻
「あら、ひかりちゃん!
今年もお着物可愛いわね〜。」
品のいいおばさんが出てきた。
神主の奥さんだろう。
ひかり
「ありがとうございます。あ!
あけましておめでとうございます!」
神主妻
「あけましておめでとう。
今年もよろしくね。あら…?」
わかってはいたけど、やっぱり、
不思議そうにオレを見ていた。
ひかり
「あ…えっと…彼氏…です。」
ひかりが少し照れながら言った。
虹村
「あ…。
あけましておめでとうございます。」
なんて言っていいのかわからず、
オレはとりあえず挨拶をした。
神主妻
「そうなの〜⁇
新年早々、いいコト聞いちゃったわ。
ひかりちゃん、
ステキな彼氏さんじゃない♪
やっぱりウチの恋まもり、
効き目抜群ね♪」
恋まもり…?
ひかり
「お…おばさまっ‼︎」
ひかりが慌てていて、
真っ赤になっていた。
なんとなくオレも恥ずかしくて、
いたたまれない気持ちになっていた。
⁇
「ひかりちゃん‼︎」
そんな話をしていたら、突然、
部屋の奥から、巫女が走ってきて、
ひかりに抱きついた。
ひかり
「かんなちゃん‼︎
あけましておめでとう!
かんなちゃん、似合う〜♪」
かんな
「ひかりちゃんの
お着物のほうが可愛いよ♪」
このコがさっきひかりたちが言ってた
”かんなちゃん”か。
たしかに可愛い。1つか2つ…下か?
そんなことを思いながら眺めていると、
突然”かんなちゃん”がオレを見た。
かんな
「…っ‼︎」
しばらくオレを見たあと、
サッとひかりの後ろに
かんなちゃんは隠れてしまった。
神主妻
「かんな!ご挨拶くらいしなさい。
ひかりちゃんの彼氏さんですって。」
かんな
「…。」
かんなちゃんはやっぱり黙ったまま、
ひかりの後ろからオレを見ていた。
神主妻
「ごめんなさいね。」
ひかり
「かんなちゃん、
この人は大丈夫だよ。」
…大丈夫ってなにがだ…?
かんなちゃんはやっと
小さく会釈してくれた。