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〜虹村 修造のお話〜

第49章 -初詣-


それから数時間後…
オレとひかりはやっと家を出て、
藤宮神社に向かっていた。



ひかり
「わたしが嫌がった理由が
わかったでしょ?」


ひかりがグッタリしながら言う。


虹村
「…あぁ。」


オレも思わず苦笑いしてしまった。



あの後すぐひかりの着付けに
取り掛かったおばさんは、
近所に住む美容師の知り合いを呼んで、
ひかりの髪までセットしてもらい、
あっという間に
ひかりの着付けが終わったのだが…



その後が長かった。



ひかり母
『やっぱり、ひかり可愛い〜♪』


と、写真やらビデオやらを
延々と撮り始めたのだ。


たしかに可愛くて、
オレは正直見惚れていたのだが、


ひかり母
『ほら!修造くんも!2ショットで!』


と、オレまで写真を撮られた。


ひかり母
『修造くんもお着物あれば
よかったんだけど…
お父さんのじゃさすがにねぇ…』


は⁈と思わず焦ったが、
さすがに着物はなかったらしく、
オレは着替えずに済んだ。


ひかり
「お母さん、着物とか浴衣とか着ると、
写真撮って外国の方に見せたがるの。
ゴメンね、修造まで写真たくさん…」


虹村
「いや…オレは…まぁ…」


ひかり
「でも、修造とたくさん
写真撮ってもらえたから、
今年は良しとするか♪」


ニコッとして
ひかりがオレを見上げてきた。


…っ⁈か…可愛い。
髪型もいつもと違うし、
見慣れない着物姿だし、
オレはひかりを直視できなかった。


ひかり
「…修造?」


こんな時に限って、
ひかりはオレの顔を覗き込んでくる。


虹村
「〜〜〜〜っ‼︎いや…だから…その…
似合ってる!」


ひかり
「え…⁇」


ひかりがポカンとしていた。


虹村
「だから‼︎可愛いっつってんだよ‼︎」


照れ隠しもあり、
投げやりに言ってしまい、
オレはひかりの頭を
軽くポンポンとして、
恥ずかしさをごまかした。


ひかり
「ちょっ‼︎修造っ!髪崩れる〜!」


慌てて避けるひかりの姿が
可愛かった。


オレ、さっきから、
”可愛い”しか言ってねぇな。


ひかり
「でも…ありがと!嬉しい!」


そう言ってニッコリして、
最高の笑みを見せてくれるひかりは、
やっぱり可愛くて、
オレはまたひかりを直視できなくなり、
ひかりの顔を見ないように、
ひかりの手を引いた。

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