第49章 -初詣-
虹村
「あけましておめでとうございます。」
ひかり
「あ!修造!
あけましておめでとう♪」
ひかり父/母
「あけましておめでとう。」
年が明けて1月1日…
朝起きて、まずは新年の挨拶。
さすがに元旦は
ひかりの両親共に休みだった。
リビングへ行くと、
ひかりとおばさんが
おせちの準備をしていた。
オレも並べるのを手伝って、
4人でおせちを食べた。
食べ始めてすぐ、おじさんは
少しのお屠蘇でダウンしていた。
ひかり母
「やだ!お父さん、
もしかしてお屠蘇飲んだの⁈」
ひかり
「えっ⁈いつのまに…」
おじさんは酒はまったくダメらしく、
お屠蘇で真っ赤になって、
今にも寝てしまいそうだった。
ひかり母
「とりあえずお昼過ぎまで、
起きないわね。」
ひかり
「そうだね…。」
酔っ払ったおじさんをよそに、
おばさんはお屠蘇どころか、
正月からワインを開けていた。
強そうだな。
つか、ひかりも強いんだろうな。
ひかり母
「お父さん寝ちゃったし、
ひかりと修造くん、
あとで初詣でも行ってきたら?」
ひかり
「そうだね〜。修造って、
初詣、いつもドコに行くの?」
虹村
「あぁ…年末年始は、
親父の実家に帰ってたから。
コッチでは初詣行ったことねーな。」
ひかり母
「そうなの?
じゃ、藤宮神社行ってきたら?」
ひかり
「そうだね!あとで行こうよ!」
虹村
「あぁ。」
ひかり母
「じゃ、その時、かんなちゃんちに
栗きんとん届けてくれる?」
ひかり
「はーい。
で、お餅もらってくるんでしょ?」
…餅?栗きんとん?
ひかり
「藤宮神社の神主さん、
お父さんの知り合いなんだけど、
昔からうちの栗きんとん好きなの。
でね、うちは藤宮神社でお餅つきした
お餅が大好きで…毎年物々交換なの(笑)」
オレが不思議そうにしていると、
ひかりが教えてくれた。
ひかり母
「ひかり、お着物は?」
ひかり
「え〜?」
虹村
「着物?」
ひかり母
「修造くんも見たいでしょ?」
虹村
「はい!あ…いや…その…」
つい出てしまった本音に、
オレは思わず少し赤面していた。
ひかり
「じゃ…着よっか…な。」
ひかり母
「じゃ、準備しなきゃ♪」
なぜだかおばさんが
めちゃくちゃ張り切っていた。