第47章 -新生活-
-悩み④-
《部屋》
おじさんが帰ってきて、
暫くリビングで話したあと、
オレは部屋に戻り、ベッドに入った。
さっきひかりが寝てたベッド…。
ひかりが言っていた通り、
たしかに寝心地のいいベッドだった。
どことなく…
ひかりの匂いがする気がする…。
疲れもあったのか、
オレはひかりを
抱き締めているような錯覚の中で、
すぐに眠りについた。
ほんとに抱き締めているみたいだった。
ひかりの華奢な身体…
柔らかい肌触り…
少し甘い香り…
安心する。
オレは少しでもひかりを感じようと、
さらに強く抱き締めた。
…⁉︎
抱き締め……⁉︎⁈
なん…でだ⁈
目を開けると、オレは本当に
ひかりを抱き締めていた。
なん…でだ⁈
ひかりはまだ
オレの腕の中でグッスリ眠っていた。
ひかりがオレのベッドに
潜り込んできたのか⁈
いや…違う…。
部屋を見回して気付く。
ココはひかりの部屋だった。
そもそもベッドが違う。
思い出せ…
なんでこうなった…⁉︎
ひかりとは部屋の前で別れ、
オレは自分の部屋で
すぐ寝たはずだ。
気持ちよく寝ていた。
間違いない。
思い出せ、思い出せ…。
ベッドに入った
↓
ひかりを感じた
↓
すぐ寝た
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
目が覚めてトイレに行った
↓
部屋に戻った
↓
また寝た
・・・・ココだ。
なんとなくわかった。
階段あがって左がひかりの部屋、
右がオレが借りてる部屋。
ひかりとオレの部屋の先に
トイレがあった。
トイレから見ると、
右がひかりの部屋で左がオレの部屋。
オレの家の自分の部屋は、
トイレから出て”右”にあった。
そう。
オレはいつもの癖で、
トイレから出て右の
ひかりの部屋に入って、
そのまま寝ていたのだった…。