第46章 -クリスマス-
オレは立ちっぱなしのひかりを
クッションに座らせ、
引き出しに閉まってあった
”いいモノ”を取り出した。
虹村
「ひかりにとって”いいモノ”かは…
わかんねぇけど。
オレ、センスねぇし…。」
ひかり
「…センス⁇」
虹村
「…ん‼︎」
オレはひかりに小さな包みを渡した。
ひかり
「修造⁇…なぁに⁇」
ひかりはキョトンとして
小さい包みを見ていた。
虹村
「だから…その…”いいモン”…
あぁっ‼︎クリスマスプレゼントだよ!」
ひかり
「…クリスマスプレゼント?
でも、それは昨日…」
虹村
「いーからっ‼︎早く開けろって。」
だんだんこっ恥ずかしくなってきて、
オレはひかりを直視できなかった。
ひかり
「これ…‼︎」
虹村
「指輪も考えたんだけどな…。
学校じゃできねぇし…。
コレならワイシャツん中入れちゃえば、
外からはわかんねぇし…。」
中身はネックレスだった。…ペアの。
シルバーのプレートで、
2つくっつけると英文ができあがるヤツ。
包みを開けたひかりは、
ジーッと包みの中身を見たまま、
固まっていた。
やべ…ダメだったか?
普通の選んだつもりだったんだけど…
虹村
「ひかり…?」
ひかり
「あり…がと…嬉しい!」
やっと顔をあげたひかりは、
涙目でニッコリ微笑んでいた。
虹村
「なんで泣くんだよ⁈」
ひかり
「嬉し涙だもん!
ね、付けてくれる?」
片方のネックレスを取り、
ひかりの首に手をまわして、
ネックレスを付けた。
ひかり
「うわぁ…‼︎
修造も付けてくれるの?」
虹村
「…あぁ。付けなきゃ意味ねぇだろ?」
そう言うと、今度はひかりが
オレにネックレスを付けてくれた。
ひかり
「うん!いい‼︎修造…ありがとう。」
ひかりがギュッと抱きついてきた。
虹村
「…おう。」
オレもひかりの背中に腕をまわし、
ギュッとする。
ひかり
「あのね、わたし…
彼氏とお揃いのネックレスとか
ずっと憧れてたの。
彼氏ができたら、絶対したい!って!」
虹村
「…⁈そんなの早く言えよ。」
ひかり
「だって…。
子どもっぽいって言われるかなって。」
スネたような声で、
オレの首元に顔をうずめる
ひかりは可愛い。
虹村
「言わねーよ。」