第45章 -クリスマスイヴ-
気を取り直して、
ひかりが行きたがっていた
パンケーキの店に行った。
クリスマスイヴだからか、
周りはカップルだらけだった。
去年までだったら、
クリスマスにこんなトコにいるなんて…
ありえなかったよな。
去年までは、
クリスマスも関係なく練習だったし。
店員
「お待たせしましたぁ。
ベリーベリースウィートスペシャルと
プレーンのパンケーキです。」
ひかりの前に
ベリーベリーなんとかが置かれると、
ひかりは目を輝かせていた。
虹村
「ひかり…それ、全部食うのか?」
ひかり
「うんっ!」
オレも甘いものはキライではないが、
さすがにこれを1人で
完食はムリだろうと思ってしまった。
分厚いパンケーキ3枚の間に
いちごやらクリームやら、
たんまり乗っている。
ひかり
「おいしーーー♡
修造もいちご食べる?」
ま、ひかりが喜んでるならいっか。
虹村
「おう。」
ひかり
「はい。あーん♡」
虹村
「ひか…っ⁈ココですんなって。」
ひかり
「言うと思ったーー。」
ひかりはわざとスネたように、
オレの皿にいちごを乗せた。
ひかり
「じゃ、明日しよっかな♪」
虹村
「は…っ⁈」
ひかり
「うーそっ♪冗談だよ〜。」
ひかりはクスクス笑いながら、
オレを見たりパンケーキを食べていた。
はぁ…。
ひかりに振り回されっぱなしなのに、
ひかりを可愛いと思って、
オレはひかりから目を離せないでいた。
ひかり
「はぁ…美味しかったぁ♡」
ひかりはほんとに全部食べてしまった。
細いのによく食うよな…。
虹村
「…ひかり?」
ひかりはオレの後ろをジッと見ていた。
ひかり
「えっ⁈あ…なぁに?」
虹村
「どうかしたか?」
ひかり
「ううん。なんでもない。
あ…ちょっとお手洗い行ってくるね。」
虹村
「おう。」
ひかりが席を立ったあと、
さっきひかりが見ていたほうを見た。
そこにはカップルがいて、
彼女のほうは嬉しそうに
何度も首元のネックレスを触っていた。
テーブルには開かれた包み紙がある。
クリスマスプレゼント…だよな。
ひかり
「お待たせ。」
ひかりが戻ってきた。
虹村
「オレも行ってくるわ。」
オレはひかりを置いて席を立った。