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〜虹村 修造のお話〜

第45章 -クリスマスイヴ-


小さなワゴンの店がいくつも並び、
クリスマスの飾りなどは、
もうセール価格で売られていた。
ワゴンの中には、
アクセサリーを売っている店もあり、
カップルで賑わっていた。


そういえば、ひかりに何も
プレゼントを用意していなかった。



ひかりも…あぁいうのほしいのか…?



ひかり
「修造?こんなトコにいたの?」


虹村
「ひかりっ⁈…早いな。」


オレがボーッとしていると、
ひかりが後ろから声を掛けてきた。


ひかり
「うん。
修造に選んでもらえてよかったぁ。
ありがとね。」


ひかりはさっきの店の袋を持っていた。


虹村
「選んだだけだけどな。」


ひかり
「修造に選んでほしかったんだよ。
ほら、次、行こうよ。」


ひかりに手を引かれ、
クリスマスマーケットを離れ、
オレたちはメンズフロアに行った。


メンズフロアはさっきよりはマシだが、
やっぱり女…彼女といると、
店員の絡みもいつもと違う。


店員
「女のコはやっぱり
こういうの好きっスよね〜。」


オレがシャツを見ていると、
店員はオレではなく、
ひかりに話しかける。


どの店に行ってもこんな感じだ。
しかもこの店の店員は、
話し方がどっかの後輩と似ていて、
なんとなく癪に障る。


ひかり
「修造、それ、似合いそう!
着てみたら?」


ちょっとイラついていたが、
ひかりにそう言われると悪い気もせず、
オレは試着することにした。


ひかり
「修造、着た〜?」


ひかりの声に、オレはドアを開けた。


ひかり
「修造、いいよ!カッコいい♪」


虹村
「そうか?じゃ…これにすっか。」



試着室から着替えて出てくると、
ひかりは店員と話していた。



店員
「彼女さん、可愛いっスね〜。
モテるでしょ〜?」


ひかり
「お兄さん、
営業トークうまいですね。」


店員
「営業トークじゃないっスよ〜。
クリスマスに君みたいな可愛いコと
オレもデートしたいもん。
ね、これ、オレの連絡先だから…」


…っ⁈
何言ってんだ⁈あの店員…⁈


ひかり
「いえ…けっこうです。」


虹村
「おいっ!てめぇっ‼︎」


ひかりはドン引きして断っていたが、
オレはひかりを自分のほうへ引き寄せ、
試着したシャツを店員に投げつけ、
そいつの胸ぐらを掴んだ。

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