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〜虹村 修造のお話〜

第45章 -クリスマスイヴ-


ひかり
「ね、どっちが可愛い?」


白のニットと水色のニットを
オレに見せてくる。


12月24日クリスマスイヴ…
オレは店員も含めて女しかいない、
女モノの洋服屋に来ていた。
ひかりのリクエストで、
買い物に行くことになっていたので、
学校帰りにショッピングモールで
待ち合わせをした。


別に買い物なんか
いつでもできるじゃねーかとも思うが、
”いつでも”できなくなってしまうし、
2人で買い物もしたこともなかったし…
と、思ってOKしたが、
買い物は買い物でも、
女モノの店に来ると思わなかった。


ひかりらしいゴテゴテブリブリしてない
シンプルな店だったし、
ひかりが喜ぶことをしてやりたいが、
それでも、普段縁のない女モノの店に
男1人っつぅのは、いたたまれなかった。



虹村
「ん?あぁ…どっちも…まぁ…」


ひかり
「もう。ちゃんと見てる〜?」


ひかりがオレの顔を覗き込んでくる。


虹村
「…っ⁈見てるけど、わかんねぇよ。」


オレはつい唇を尖らせてしまう。


店員
「お客様、よろしかったら、
ご試着されますか?」


店員が話しかけてきて、
ひかりは店員と話し込み、
試着室へと入って行った。


試着室が奥まったトコにあって、
その横に椅子があったから、
オレはそこに座って待っていた。


ガチャ…



虹村
「…?…っ⁈」


ひかり
「どう…かな?」


虹村
「どうって…」


ひかりはさっき持っていた
水色のニットを着ていて、
下はショートパンツだった。


ひかりは私服では、
そこまで短い服は着ない。
ひかりのショートパンツ姿は
新鮮だったし、ニットも可愛かった。



虹村
「ひかり…それ…」


ひかり
「ニットだけ、
試着するつもりだったんだけど…
他に合わせるのも…って、
店員さんが貸してくれて…」


店員
「いかがですか〜?」


その時店員がやって来た。


店員
「あ〜めちゃくちゃお似合いですよ〜♡
彼氏さん、いかがですか〜?」


虹村
「えっ⁈あぁ…いや…その…」


ひかりが心配そうにオレを見ていた。


虹村
「…っ…まぁ、いいんじゃねーの?」


オレはそれだけ言うのがやっとだった。


店員
「じゃ、もう1つのほうもぜひ〜。」



ひかりがまた試着室に入り、
オレはふぅっと息を吐いた。

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