第45章 -クリスマスイヴ-
12月中旬になり、
親父たちがアメリカに行く日が
正式に決まった。
12月26日。
前日の25日は、
親父の外泊許可がおりていたので、
夜はひかりやひかりの両親も呼んで、
ウチで夕飯を食べることになっていた。
クリスマスだし、
何より双子たちが1番楽しみにしていた。
親父が家にいるのはいつぶりだろう。
最高のクリスマスプレゼントだった。
もちろん本番はこれからだが。
25日にひかりに会えるし、
オレは特段何も考えてなかったし、
ひかりからも何も言われなかった…が、
お袋に釘を刺された。
虹村母
「24日はひかりちゃん誘ったの?」
虹村
「は?何をだよ?」
虹村母
「はぁ…やっぱり。」
光平
「お兄ちゃん!クリスマスだよ〜?
ひかりとデートしないのー?」
虹村
「な…っ⁈」
オレは光平の発言に心底驚いた。
虹村母
「光平のほうがしっかりしてるわね。
これじゃ光平にひかりちゃん、
取られちゃうわよ?」
笑未
「笑未と光平は25日ひかりちゃんと
お約束してるもん♪」
光平
「な〜♪3人でケーキ作るんだよなぁ♪」
は…⁈聞いてねぇぞ。
つか、最近のガキは…。
その日の夜、
ひかりと電話で話しながら、
オレはタイミングを見計らい、
ひかりを誘った。
お袋に言われてひかりを誘う…
前もあったよな。
つか、なんか情けねぇな…。
クリスマスなんてガキの頃以来、
意識なんてしてなかったし、
サンタなんか…つまりは…
…それは光平と笑未のために、
オレも言わないどくか。
とにかく!
改まってひかりを誘うとなると、
やっぱり緊張した。
虹村
『ひかり…!』
ひかり
『ん?なぁに?』
虹村
『あ…う…なんていうか…
25日、ウチ来んだろ?』
ひかり
『うん。あ、笑未ちゃんたちと
ケーキ作る約束してるの♪』
虹村
『あぁ。知ってる。
だから…その…24日は暇か?』
ひかり
『え…?う…ん。』
半信半疑なのか、
ポカンとしたひかりの声がした。
虹村
『今、”うん”っつったよな⁈』
ひかり
『うん!』
今度はハッキリ聞こえた。
虹村
『よしっ!デートすっからな!』
ひかり
『うんっ!!』
ひかりの嬉しそうな声に、
オレまで嬉しくなった。