第44章 -家族会議-
ひかり
「…わたしも落ち着くよ?」
ひかりはオレの手をギュッとした。
ひかり
「でも、もうだーめ。」
ひかりはスッとオレから離れた。
虹村
「…なんでだよ?」
今は誰もいなかったし、
オレは少し不満だった。
ひかり
「おなかすいてるでしょ?」
ひかりは背伸びして、
オレの頭に手を伸ばした。
それでも届かないと思い、
オレが少しかがむと、
ひかりはオレの頭をポンポンとした。
ひかり
「…あとでね?」
そう言って、
ひかりはオレの頬にキスをした。
虹村
「…っ⁈」
ひかり
「ほら、あっちで待っててってば。
修造の好きなもの作るから。
おりこうに待ってなさい。」
ひかりに子どものように扱われ、
オレは渋々リビングに戻った。
暫くすると、
だんだんいい匂いがしてきてきた。
虹村
「おっ…すげぇ!うまそう!」
ひかり
「ちょっと…頑張った…かな。
美味しくできてるといいんだけど。」
麻婆豆腐と中華スープと炒飯だった。
前にオレが好きっつったの、
覚えててくれたのか…?
虹村
「いただきます。」
オレはちゃんと言ってから、
まずは炒飯に箸をのばす。
虹村
「うめぇっ!」
ひかり
「ほんと⁈よかったぁ。
たくさん食べてね!」
オレはもちろんおかわりもした。
たっぷり食べて
おなかいっぱいになった。
後片付けを手伝うと言っても、
ひかりは遠慮したが、
2人のほうが早いからと説得し、
後片付けは2人でした。
ま、さっさと片付けて、
ひかりとゆっくりしたいというのも
本音なんだけどな…。
ひかり
「コーヒーでいい?」
虹村
「あぁ。」
後片付けも終わり、
ひかりがコーヒーを入れてくれて、
オレたちはソファに並んで座った…が、
ひかりはコーヒーを飲まずに、
オレの腕に抱きついてきた。
虹村
「ひかり…っ⁈おい…っ」
ひかり
「だって、さっき
おあずけくらったんだもん。」
な…っ⁈
虹村
「”おあずけ”にしたのは、
ひかりじゃねーか。」
ひかり
「ご飯作ってたから、
我慢したんだもん。」
オレが半分呆れたように言うと、
ひかりは悪戯っ子のように
上目遣いでオレを見る。
ひかりに見つめられるとオレは弱い。