第44章 -家族会議-
それから何日かして、
ひかりの家で夕飯を食べることになり、
オレはひかりの家に来ていた。
光平と笑未が幼稚園の友達の家で
お好み焼きパーティをするとかで、
夕方からお袋もいなくて、
飯どぉすっかな…っつってたら、
ひかりが呼んでくれた。
ひかり
「修造たくさん食べられる?
おなかすいてる?」
修造
「おう。そういや、昼から
なんも食ってねーや。」
最近は部活してないとはいえ、
やっぱりこの時間になると腹が減る。
ひかり
「じゃ、いっぱい食べてね。」
虹村
「任せとけ。なんか手伝うか?」
ひかり
「ううんー。座ってて。」
ひかりにそう言われたので、
オレは暫くテレビを見ていた。
ひかりの親は2人とも今日も仕事で、
家にはオレら2人きりだった。
エプロン姿のひかりを見ると、
ひかりと結婚したらこんな感じなのか…
と、つい思ってしまう。
オレはいつのまにか、
テレビではなくひかりを見ていたが、
ひかりは料理に夢中で
オレの視線には気づいていなかった。
…♪
オレはそっとひかりに近づいて、
ひかりを後ろから抱きしめた。
虹村
「今日、飯、なんだ?」
ひかり
「きゃっ。修造っ⁈あ、危ないよ。」
そんなのわかってる。
ちゃんとひかりが包丁を持ってないのと
火を付けてないのは確認済みだ。
虹村
「なに作ってんだ?野菜多いな。」
オレはひかりに抱きついたまま、
後ろから言った。
ひかり
「野菜キライだっけ?」
虹村
「いや、そんなことねぇよ。」
ひかり
「修造〜。作れないよぅ。」
ひかりは手を拭いて、
オレの手を握ってきた。
虹村
「ひかり〜。」
ひかり
「なぁに?」
オレはひかりの首元に顔をうずめた。
ひかり
「きゃっ。修造⁈どうしたの?」
虹村
「べーつにー。
こうしたいだけ。ダメか?」
ひかり
「ダメじゃ…ないけど…。」
虹村
「じゃ、これは?」
………チュ。
ひかり
「…んんっ。しゅ…⁈」
オレはひかりの後ろから、
ひかりを振り向かせ、キスをした。
ひかり
「修造っ。もう…急に…。」
真っ赤になって困ってるひかりは、
やっぱり可愛い。
虹村
「なんかこうしてると落ち着く。」
オレはまた後ろからギュッとした。