第44章 -家族会議-
次の日、
オレは1人で親父のトコに行った。
虹村
「なぁ…親父。オレ、決めたから。
オレも12月にアメリカに行く!」
虹村父
「高校は?バスケはいいのか?」
親父もお袋と同じことを言った。
当たり前…か。
虹村
「あぁ。」
虹村父
「…ひかりちゃんは?」
また同じだ。
オレは思わず苦笑いしてしまった。
虹村
「ひかりとは…ちゃんと話した。
ひかりとは別れない。
オレはずっとひかりを想ってるし、
ひかりはオレを待っててくれるって
言ってくれた。」
くそっ。親父に言うのは…
こっぱずかしいな…。
虹村父
「そうか。ひかりちゃんはいいコだな。
…しかたないな。」
虹村
「親父…。」
虹村
「だけどな、やっぱりお前は
きちんと中学を卒業してから来い。」
虹村
「親父っ!だから、オレは…!」
虹村父
「父さんはお前に与えることはあっても
何かを奪いたいとは思わない。
学校もバスケもひかりちゃんも…
いつもどおりにしろ。」
虹村
「でも…‼︎オレは…‼︎」
虹村父
「それが父さんの望みだ。
仲間と一緒にちゃんと中学を卒業しろ。
たまには父さんの言うこと聞いても
バチは当たらないと思うぞ?」
親父は笑いながら言うが、
オレはどうしても納得できなかった。
そんなオレの表情に気づいたのだろう。
親父はさらに続けた。
虹村父
「じゃ、お前は寄り道をしろ。
寄り道はいいもんだぞ。」
虹村
「寄り道…?」
虹村父
「違う景色を知ることは、
きっとお前のためになる。」
虹村
「は⁈どういう意味だよ?」
親父はたまに謎かけのような
不思議なことを言う。
虹村父
「はは…。それは自分で考えろ。
じゃ、決まりだな。」
虹村
「ちょ…オレはまだ…」
オレは食い下がったが、
親父の力強い視線に
それ以上何も言えなくなり、
半分納得いっていなかったが、
オレは親父の言うとおり、
中学を卒業してから、
アメリカに行くことになった。