第43章 -気持ち-
……チュ。
ひかり
「…修造っ⁈」
ひかりが可愛くてキスをしてしまった。
ひかり
「もう…。
やっぱりいつもわたしばっかり
ドキドキしてる…。
修造は余裕あるし、わたしばっかり…」
…っ⁈
スネた顔したひかりは、
上目遣いでオレを睨んでいた。
だから…そんな目で睨んでも、
可愛いだけだっつぅの…。
虹村
「それ、オレのセリフだから。」
ひかり
「…え?」
虹村
「いっつもひかりのが余裕あるし、
オレだってドキドキしてるし、
ひかりにはかなわないって
いつも思ってる…。」
オレとしては、ひかりのが
大胆だと思ってたんだけどな。
ひかり
「同じこと…思ってたんだね。」
虹村
「あぁ。そうだな。」
ひかり
「じゃあ…今も同じ…かな?」
ひかりはまっすぐオレを見つめた。
オレもひかりを見つめ返す。
虹村
「オレ…アメリカ…行くよ。」
ひかり
「…うん。」
ひかりは淋しそうな表情を
隠すかのように、
ニッコリ笑顔で頷いてくれた。
またひかりに
キッカケ作ってもらっちまったな…。
虹村
「…ごめんな。」
ひかり
「…⁈なんで謝るの…?」
虹村
「淋しい想いさせるから…。」
ひかり
「…⁈…修造?
さっき言ったよね⁉︎
わたしと…
同じこと考えてるんだよね?」
ひかりは両手で
オレの腕をギュッと掴んで、
アメリカに行くと言った時よりも
必死な目でオレを見ていた。
虹村
「ひかり…?」
ひかり
「別れるとか…言わないよね?」
………‼︎
ひかりは涙声だった。
必死で泣くのを堪えているのがわかる。
ひかり
「も…もう…あの時みたいに
悲しいの…ヤダよ…ヤダ…修造…」
虹村
「…‼︎それ以上言うな。」
オレは思いきりひかりを抱きしめた。
本当は迷っていた。
ひかりは2つ年上とはいえ、
オレらはまだガキだ…。
待っててくれなんて言っていいのか…
ずっとそれだけ迷っていた。