第42章 -名医-
笑未
「お兄ちゃん!」
ひかりのクッキーを受け取ったオレに、
笑未が嬉しそうにニコニコしながら
話しかけてきた。
虹村
「ん?なんだ?」
オレは笑未を抱き上げた。
笑未
「あのね……」
笑未はナイショ話をするように
オレの耳元に手を当てて話し出した。
笑未
「ひかりちゃん、お兄ちゃんのこと、
だーーいすきなんだって!」
…っ⁈
ひかり
「笑未ちゃん⁈」
笑未のナイショ話のポーズは、
まったく意味がなく、丸聞こえだった。
笑未
「だって、さっき言ってたもん♪
だから、クッキーもハートなんだよ♪」
ひかり
「う…ん。そうだけど…あの…
そんな改めて言われると…」
ひかりは真っ赤だった。
つか、やべぇ…。
オレも今赤くなってんじゃねぇか?
光平
「ふーんだ。
ひかり、オレのことも好きだもん。」
光平がひかりの横に行って、
ギュッと抱きついて、
ひかりが光平を抱き上げた。
つか、光平のやつ…。
ひかり
「うん!光平くんも笑未ちゃんも
大好きだよ!」
虹村
「おいっ!オレは⁈」
ひかり
「…え?」
…っ。
思わず言ってしまってから、
恥ずかしくなった。
笑未
「あ〜♪‼︎
お兄ちゃんもひかりちゃんのこと、
好き〜?大好き〜⁇そうでしょ?」
虹村
「笑未っ⁈」
ひかり
「笑未ちゃん⁈」
光平
「オレ、ひかり大好き‼︎」
な…っ⁈
笑未
「笑未もひかりちゃん大好き〜!」
こいつら………。
虹村
「あー‼︎オレもだよ!
オレもひかり大好きだよっ‼︎」
笑未を抱き上げたまま、
叫ぶように言ってしまった。
ひかり
「あ…う…ん。
わたしも…修造大好き…。」
ひかりも光平を抱き上げたまま、
真っ赤になってこたえた。
笑未
「ほらね〜♪言ったでしょ〜?
ひかりちゃん、よかったね〜。」
虹村
「ん?笑未?なんて言ってたんだよ?」
笑未
「ん?あのね〜…」
ひかり
「あぁぁ‼︎笑未ちゃんっ‼︎
ほ、ほら!自分たちの分は?
ケーキもあるし、おやつにしようか!」
笑未、光平
「うん!」
ひかりのやつ…
なんかごまかしたよな。
それにしても…
やっぱ子どもにはかなわねぇな…。