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〜虹村 修造のお話〜

第42章 -名医-


そのまま病院での話は終わった。



虹村
「光平たち迎えに行ってくる。」



オレは親父とお袋と何も話さずに
親父の病室を出ようとした。



虹村母
「ちょっ…修造っ。待ちなさい。
まだ話が…」


虹村
「…なんだよ?」


オレはドアの所で振り返った。


虹村父
「修造…お前は日本に残りなさい。」


虹村
「はっ⁈なんでだよ⁈」


オレは親父のことばに耳を疑った。



虹村父
「いいから。
とにかく今はそれだけだ。
また改めて話そう。」


虹村
「なんだよ、それ…‼︎」


渡米の話を聞いて
混乱したのは事実だが、
オレの中ではもう決まっていた。



だって…親父が病気になったのも…



虹村
「オレも行く!もう決めてるから!」


オレはそれだけ言って病室を出た。


アメリカだろうがどこだろうが、
絶対オレも一緒に行く!


そう決めた気持ちに嘘偽りはない。


でも…ひとつだけ…。


ひとつだけ気にかかることがあった。


ひかりのこと。


ひかりと離れるなんて、
オレは耐えられるのだろうか?


この話をひかりにしたら、
ひかりはなんて言うだろう?



やっぱりあの時別れておいたほうが
ひかりのためだったんじゃないのか…?


そんなことを考えて、
思わず1人で苦笑いしてしまった。


それは…違うよな。
このことをひかりに言い出すのが
ちょっとキツいだけ…。
それをあの時別れておけば
よかったなんて、
それこそ身勝手だよな。




そんなことを考えていたら、
いつのまにかひかりの家に着いていた。



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