第41章 -バスケ-
相変わらずオレだけ意識しすぎか。
ひかりとは…キス以上はしていない。
ひかり
「修造っ!見てて〜♪
わたしも
ダブルクラッチやってみるー!」
ひかりはオレの悶々とした気持ちなんて
つゆしらず…。
無邪気にニコッとして手を振ってきて、
ダブルクラッチをやった。
おっ…。
ひかり
「あ〜失敗。修造やってー。」
いい線いってたが、
ひかりのシュートは入らなかった。
良くも悪くも昔と変わらない。
後輩感が抜けないというか…。
ひかりはオレのことを
男として見てるのだろうか。
ひかり
「修造?どーしたのー?」
コートの中からひかりが呼んでる。
虹村
「あぁ。今行く。」
オレはコートの中に入り、
ゴールのほうを見ているひかりを
後ろから抱きしめた。
ひかり
「修造っ⁈どうしたの⁈」
ひかりはかなり慌てていた。
虹村
「なんとなく…。」
別にウソじゃない。
色々考えていたら、
”なんとなく”
後ろから抱きしめたくなっただけだ。
ひかり
「修造?そ、外だよ?」
虹村
「知ってる。」
日曜だってのに、
この公園ぜんぜん人が来ない。
2人きりだ。
さすがに人がいたら、
こんなことできないだろうな。
ひかり
「今日の修造…なんか変。」
ひかりは耳まで真っ赤だった。
可愛い…。
それにちょっと嬉しかった。
虹村
「なにがだよ?」
ひかり
「いきなり膝枕したり…
いつもより感情表現みたいなの、
多いなって思った。」
虹村
「イヤか?」
ちょっと焦りもあったし、
大胆に色々やりすぎたか…。
ひかり
「イヤじゃないよ。嬉しい。
でも…ちょっと照れちゃうよ。」
後ろから回してるオレの腕を
ひかりはギュッとしてきた。
虹村
「ふーん?照れてるのか。」
たしかにひかりは照れてる。
真っ赤になってて可愛い。
ひかり
「ちょっとだけだよっ。」
虹村
「なにムキになってんだよ?」
ひかりが子どもみたいで可愛くて、
思わずからかってしまった。
ひかり
「ムキになってないってばー。」
ムキになってるって…。
オレはまた愛おしい…そう思って、
さらにきつくギュッと抱きしめた。
虹村
「ひかり…好きだ。」