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〜虹村 修造のお話〜

第40章 -ひかり-


オレたちが別れたこと…聞いたのか?
ひかりは母親に
相談するかもしれないが、
ひかりの母親は、それをでしゃばって
オレに何か言ってくるような
タイプではないと思っていた。



ひかり母
『突然ごめんなさい。
ひかりと別れたことは聞いたわ。
ごめんなさいね、
別れたこと知ってるのに、
電話なんかしちゃって…。』


虹村
「いえ。」


ひかり母
『別れたことは、
あなたたちの問題だから、
それはいいんだけど…』


やっぱりな…。
ひかりとひかりの母親は似ている。


ひかり母
『でも、もう虹村くんしか
思い浮かばなくて…』


虹村
「…?どうかしたんですか?」


ひかりの母親の声がおかしい。


ひかり母
『ひかりが帰ってこないの。
今日はバイトも休みだし、
リハビリでもないし…
お友達にも聞いたんだけど、
どこにもいなくて…。』



…⁉︎
もう21時を過ぎていた。
いくらなんでも遅すぎる!



虹村
「そういえば、
おばさんから連絡もらう直前、
ひかりから着信が…」


ひかり母
『ごめんなさい。それ、わたしなの。
あの子、携帯も持たずに
出かけたみたいで…。
それであの子の携帯から
虹村くんに掛けたんだけど、
出てくれなかったから…。」


虹村
「…すみません。」


ひかり母
『責めてるんじゃないのよ。
むしろ、別れたのなら、
そのほうが潔くて、
わたしはいいと思うわ。
なのに…ごめんなさいね。』


ひかりの母親らしい。
オレが気にしたことを、
すぐフォローしてくれた。



虹村
「いえ、それより、ひかり…まだ…?」



ひかり母
『えぇ。虹村くん、
あの子が行きそうな所に
どこか心当たりないかしら?』



ひかりの行きそうな所…



帝光中…公園…病院…
双子たちの幼稚園…桜…



オレはさっき見ていた
写メを思い出した。



…‼︎



ひかりのやつ、まさか…⁉︎




虹村
「とりあえずオレ探してみます!
見つかったらまた連絡します!」



オレはそう言うと電話を切り、
そのまま外へ出た。

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