第40章 -ひかり-
土曜日…オレは親父たちに
ひかりのことを言えなかった。
今日はバイトらしい…
そうごまかしてしまった。
昨日、灰崎と話して、
ひかりに会いたい気持ちが、
またぶり返してきた。
せっかくおさえてたのに…。
でも、やっぱ今更身勝手だよな。
部活も引退したし、
学校以外は親父の病院に行ったり、
ほとんど家のことをしていた。
ついひかりのことを考えてしまう。
部屋にいてもそうだ。
別れるって言ったんだから、
消せばいいのに、番号も消せないし、
写メだって残ってる。
桜見に行ったときの写メとか、
イヤだっつったのに、
無理矢理ひかりのスマホで
2人で写った写メとか…。
今になってつい眺めてしまう。
うぁぁぁぁ…
オレってこんなに女々しかったのか?
いや…ひかりだから…だな。
そんなことを思いながら、
ベッドに寝転がって
オレはスマホを眺めていた。
ピピピピピ♪
突然見ていたスマホが鳴った。
ひかり…⁈
スマホの画面に
「露木ひかり」と表示されている。
オレは出るのを迷ってしまう。
どうする…?
迷っていたら、切れてしまった。
やべ…。掛け直すか…?でも…。
迷っていたら、
すぐにまた電話がかかってきた。
知らない番号…?
オレは電話に出た。
虹村
「…もしもし?」
⁈
『あの…虹村くんですか?
わたし…ひかりの…
露木ひかりの母です。』
知らない番号は、ひかりの母親だった。
なんで、ひかりの母親が…オレに…⁈