第39章 -余計なお世話-
虹村
「何してんだよ?」
灰崎
「べーつにー。
まぁ、強いて言うなら?
嫉妬して女フった男の顔って
どんなもんかな〜って、
野次馬根性ってやつかな。」
虹村
「あぁん⁈
てめぇ、何が言いてぇんだよ?」
オレは思わずしゃがんでる
灰崎の胸ぐらを掴み、
立ち上がらせた。
だが、それで余計に目立ってしまい、
さらに周りが騒ついてしまった。
虹村
「灰崎、てめぇ…ちょっと来い。」
オレはそのまま灰崎を連れて、
学校の裏側にある土手まで行った。
ここならそこまで目立たない。
灰崎
「虹村さんが慌てんの初めて見たな。
虹村さんでもそんなことあんのな♪」
灰崎がからかうように笑う。
虹村
「あぁん⁈さっきからなんなんだよ?」
つか、こいつ…
ひかりと別れたこと知ってんのか…?
灰崎
「ひかりちゃん、
あんたと別れたって聞いたからさ♪」
虹村
「…⁈ひかりに会ったのか⁈」
灰崎の明るい声が癪に障った。
灰崎
「ま、そんなトコですかねぇ♪」
いつ会ったんだ…?
つか、連絡取ってたのか…?
なんで、よりによってこいつなんかと…
灰崎
(ほんとこのことだけはわかりやすいな…)
「べっつに〜♪
いまんとこなんもないっすよー♪」
虹村
「いまんとこだと⁈」
灰崎
「もう別れたんすよね⁇
だったら虹村さんに言う義理ねーけど。
つか、虹村さん、
文句言える立場じゃねーじゃん。
フったんだもんな〜。」
虹村
「…っ⁈」
灰崎
「偶然会ったらひかりちゃん、
淋しそうにしてるし、
話聞いてやったらフラれたって言うし…
こっちとしては
ラッキーな話じゃんて思ったけど…」
試すような目で灰崎がオレを見てきた。
灰崎
「あんたのことは
ちょっとは尊敬してたのによ。
女のことになると情けねーのな。
嫉妬して自分見失うような奴に
散々シメられてたと思うと、
こっちが情けねーわ。」
灰崎の言うことは間違ってない…。
ムカつくが、
灰崎の言うことは当たっていた。
ひかりのことに対して、
オレはもう何も言えない。
だが…
だが…
だがな…
虹村
「あぁそうかよ?
おめぇの言いたいことはそれだけか⁈」
灰崎
「…。(やべぇ…青筋…っ。)」