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〜虹村 修造のお話〜

第38章 -----Another side-----


灰崎
「おいっ!泣いてんじゃねーよ。
めんどくせーなー。」


ひかり
「あ…ごめ…」


それでも涙が止まらなかった。
修造とのことを思い出してしまう。


バスケットコートなんかにいるから、
余計思い出しちゃうのかな。



灰崎
「おい!
泣くなっつってんだろ⁈」


突然灰崎くんが
スッとわたしの背中を押さえ、
自分のTシャツのおなかあたりを捲って、
わたしの涙を拭いた。


ひかり
「…っん⁈灰崎く…ん?」


灰崎
「うわっ…汚ねっ。鼻水ついた〜!」


灰崎くんは涙を拭くのをやめて、
わたしの顔に
Tシャツをグリグリ押し付けてきた。


ひかり
「えっ⁈鼻水出てないもん。
ちょっ…痛いってば!
それにこのTシャツ臭い〜っ‼︎」


灰崎
「はぁ⁈鼻垂らして泣いてるやつが
偉そうなこと言ってんじゃねーよ!」


ひかり
「垂らしてないってばー!」


そんなやり取りがつづき、
いつのまにか涙が笑いに変わり、
わたしはおなかをかかえて笑った。



こんなに笑ったの…久しぶりだな…。



灰崎
「ちったぁ落ち着いたかよ?」



めんどくさいと口では言ってるけど、
灰崎くんは意外と優しかった。



ひかり
「…うん。ありがとう。」



灰崎
「本当に別れたのか?」


ひかり
「…っ⁈」



わたしは思わず1歩退いた。
灰崎くんが何かするかと思った。



灰崎
「 別に何もしねーよ。
さっき言ったろ?
人の女奪うから楽しいんだよ。
虹村さんにフラれたあんたに
興味ねーよ。」


ひかり
「そんなハッキリ言わないでよ…」


灰崎
「なんでフラれたんだよ?」





修造のお父さんのことは話さず、
わたしは今までのことを話した。





灰崎
「それってさぁ…
虹村さんが嫉妬してるだけじゃん。」



わたしが話し終えると、
開口一番灰崎くんがそう言った。

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