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〜虹村 修造のお話〜

第36章 -ケーキ屋さん-


光平、笑未
「いいの?やったー!ありがとう!」


虹村
「困ります。お支払いします。」


ひかり
「あ、じゃあ、わたしが…」


虹村
「ひかりっ!大丈夫だっつーの…」


店長
「はいはい。3人とも黙って!
それじゃあな、このケーキは
樹でもひかりちゃんでもない、
この店で1番エライ店長のオレからの
このコたちへのプレゼントだ。
それなら、文句ないよな?」


店長は意味ありげに
オレに視線を向けてきた。


質問してはいるが、
NOとは言わせない口調だった。



結局、
双子たちのケーキを貰ってしまい、
シュークリームを5つ買って店を出た。



ひかり
「修造っ!」



ひかりが店から出てきた。



虹村
「…おう。出てきて大丈夫なのか?」


ひかり
「うん!来てくれてありがとう!
すっんごい嬉しかった‼︎」


とびっきりの笑顔でひかりが言った。


そのまま抱きしめてしまいたかった。



ひかりの言葉には
何一つ嘘偽りはないだろう。



だけど…オレは…。


光平
「ひかり〜!お兄ちゃんだけかよ〜?」


ひかり
「光平くんと笑未ちゃんも来てくれて、
とってもビックリしたし嬉しかったよ。
ありがとう!」



ひかりはしゃがんで、
光平と笑未を抱きしめていた。



虹村
「ほら、おまえらそろそろ帰るぞ?
ひかり、ムリすんなよな。」


ひかり
「うん!あと1週間!
土曜日はリハビリだから、
終わったらおじさまの病室に行くね。」



ひかりは店の前で、
手を振って見送ってくれていた。



ひかりに会えたのは嬉しいが、
オレはひかりに触れていない。



あいつ…樹とかいうヤツは…




気づいたらオレは、
ひかりに会えたことの嬉しさよりも、
ひかりへの猜疑心でいっぱいだった。



ひかりは何も悪くないのに…


嫉妬…


オレがか…?




心のどこかでわかってはいた。
認めたくなかっただけだ。


猜疑心…不安…嫉妬…




どれもこれも、オレの中から、
なかなか消えてはくれなかった。
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