第36章 -ケーキ屋さん-
ひかりはケーキ屋の制服を着ていた。
黒のタイトスカートに白のブラウス、
腰からする白のレースのエプロンが
可愛かった。
つか、スカート短くねぇか⁈
そんなこと思ってたら、
ひかりに話しかける男がいた。
ひかりと肩が触れるくらい近付き、
何かを喋っていた。
あいつもバイトか…?
コックの服装をしている。
そいつと楽しそうに笑って
話しているひかりを見ると、
なんだかすげぇイヤな気分になった。
ガラッ…
光平
「ひかりーっ‼︎」
笑未
「ひかりちゃんっ‼︎」
虹村
「おいっ!おまえら…」
店の前にいたはずなのに、
ガマンできなくなったのか、
双子たちが勝手に店に入って行った。
ひかり
「光平くん⁈笑未ちゃん⁈」
ひかりはショーケースの前に出てきて、
勢いよく走ってきた双子たちを
ギューっと抱きしめた。
ひかり
「2人とも‼︎来てくれたの?嬉しい!」
笑未
「うん!」
ひかり
「お母さんと来たの?」
光平
「ううん。お兄ちゃんとだよ。」
ひかり
「修造と⁈」
はぁ…。しかたねぇ。
オレは店に入った。
ひかり
「修造っ!来てくれたんだね。
ありがとう!」
虹村
「あぁ…。」
笑未
「ひかりちゃん!お兄ちゃんね、
1人で行けなかったんだよ。
だから、笑未たちがついてきたの。」
ひかり
「え…?」
おいっ…笑未…っ⁈
ひかりがクスクス笑っていた。
?
「ひかりちゃん、お友達かい?」
太った恰幅のいいオヤジが
奥から出てきた。
太ってはいるが、
昔はきっとモテたと思う。
服装はあのコックの奴と同じだった。
ひかり
「あの…えっと…彼氏です♡
この子たちは彼の弟さんと妹さんで…」
ひかりは照れながら言った。
オレも恥ずかしかったが、
軽く頭を下げた。
光平
「こんばんはっ。虹村光平ですっ。」
笑未
「こんばんは!虹村笑未ですっ。」
店長
「おっ。元気だねぇ。
ちゃんと挨拶もできてエライなぁ。」
⁇
「ひかりちゃんの彼氏さんかぁ。」