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〜虹村 修造のお話〜

第34章 -帰り道⑥-(回想)


保健室に行くと、
マイクで呼び出した甲斐もあり、
保健の三崎先生が待っててくれていた。


三崎先生
「ほんと、
露木さんにはかなわないわね(笑)」


虹村
「(オレもそう思う…)」



三崎先生は呆れながらも、
笑顔でひかりを招き入れた。


ひかり
「だって、三崎先生、
今日は色んなトコで
引っ張りだこでしょ?
絶対捕まらないと思ったんだもん♪」


三崎先生
「はいはい(笑)
早く怪我見せなさい。
あら、けっこう擦りむいたのね。」


三崎先生はガーゼやら包帯を
出してきた。


ガラッ…。


生徒C
「失礼しますっ!
三崎先生っ!今借り物競争で
3人ぶつかっちゃって…」


三崎先生
「えっ⁈」


ひかり
「三崎先生!
わたし、大丈夫ですから!
早く行ってあげてください。」


三崎先生
「ごめんなさいね。
虹村くん!悪いけどあとよろしくね。」


虹村
「…はっ⁈」


そのまま三崎先生たちは行ったので、
オレとひかりは2人きりになった。


虹村
「(よろしくって言われても…
何すりゃいいんだ…?)」


ひかり
「虹村くん、消毒液取ってくれる?」


オレは困惑していたが、
笑顔のひかりに促され、
棚から消毒液を取り出した。


ひかり
「ありがとう。」


ひかりは消毒液をガーゼに取り、
傷口に当てていた。


ひかり
「いたっ…。しみる〜っ。」


虹村
「ひかりさん、やりますよ?」


オレはひかりから消毒液を取り上げ、
ひかりの前にしゃがんで、
ゆっくり少しずつ傷口を拭いた。


ひかり
「んっ…。ありがとう。」


ひかりはちょっと痛そうにしたが、
慣れてきたようで、余裕が出ていた。
が、逆にオレは余裕がなくなっていた。


ひかりの足の
手当てをするということは…
つまりは、ひかりの足を触るわけで…
手当てしてるだけなのに、
オレはかなりドキドキしていた。


ひかり
「虹村くん、上手。器用なんだね。」


虹村
「弟と妹がいるんで、たまに…。
(やるっつっても、2歳だし、
絆創膏程度だけど…。
こんくらい誰でもできるだろ。)」


ひかり
「そうなの?お兄ちゃんなんだねぇ。
何歳なの?」


虹村
「2人とも2歳です。」


ひかり
「2歳⁈2人とも⁈双子なの⁈」


虹村
「そーっすよ。」


ひかり
「いいなぁ。いいなぁ。」
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