第34章 -帰り道⑥-(回想)
ひかり(マイク)
『あ〜♪皆さん、お疲れさまです。
3年バスケ部マネージャーやってます、
露木ひかりです♪
この度は【コスプレ着てる可愛い人】に
選ばれちゃいました〜♪』
オレが戸惑っていると、
ひかりは実況の奴からマイクを奪い、
いつもの感じで話し始めていた。
周りから拍手が起こる。
ひかり(マイク)
『あっ。でも、わたし、
コスプレは着てるけど、
この指示、わたし連れてきて、
達成にしちゃって大丈夫ですか〜?』
実況生徒(マイク)
『もちろんです♪
皆さん異議ないですよね〜。』
虹村
「(たりめぇだろうが…。)」
周りからもまた拍手が沸き起こった。
ひかり(マイク)
『やったー♪ありがとうございます♪
えっと、虹村くんはバスケ部の1年生で
唯一の一軍入りを果たした
期待の選手です。
ウチの部は特に上の者を…先輩を敬えと
日頃こわーい主将も
指導しておりますので…』
そこで笑いが起こった。
ひかり(マイク)
『マネージャーのわたしにも
華を持たせるつもりで
選んでくれたんでしょうね♪
バスケ部の指導の賜物ですね(笑)
でも、可愛いなんて嬉しかったです♪
ありがとうございました〜♪♪』
いつのまにかインタビューは、
ひかりの独壇場だった。
ひかり(マイク)
『あ、実況さん!
競技止まってますよ‼︎
それにわたし保健室行くんだった。
三崎せんせ〜っ!
これから行くんでお願いしますね〜♪
ほら、虹村くん!
保健室も連れてってくれるんでしょ?
じゃ、実況代わりまーす。』
ひかりはちゃっかり
保健の先生をマイクで呼び出し、
実況の奴にマイクを返してから、
オレを伴わせ、保健室に向かっていた。
オレはなんていうか…
その場にいるのは恥ずかしかったが、
でも、ひかりが一緒だったし、
保健室に向かう途中も
冷やかされる中で、
「お似合いだねー」と、誰かに言われ、
内心浮かれていた。
ひかりにはぜってぇ言えねーが…。