第32章 -運動会-
一悶着ありつつも運動会は始まり、
ひかりはやっぱり興奮していて、
テンションが高かった。
「あ!光平くんと笑未ちゃん‼︎
ほら、あそこにいるよー!」
双子たちが見えるたびに喜び、
写真を撮ったりビデオを撮ったり…
応援の甲斐あってか、
2人はかけっこで見事1位を取った。
ひかり以上に興奮している双子たちが
かけっこでもらった
折紙のメダルを下げて戻ってきた。
「1位だったー!」
「笑未もー!!」
「2人とも速かったねー!
すごかったー!」
「2人とも頑張ったわね。
さ、お弁当食べましょ。
お母さんもひかりちゃんも
たくさん作ったのよ。」
お袋のもひかりのも
相当気合が入っていた。
双子たちは大満足で食べている。
「可愛いし、美味しい!」
「オレが全部食べるからっ‼︎」
「光平!急がないの。」
「たくさんあるから大丈夫だよ。
…あれ?」
ひかりがスマホを取り出した。
「ひかり?どうした?」
「ううん。
来週バイト増やせないか?って、
バイト先からメールきてたの。」
ひかりはパパッと返信メールを打った。
「お兄ちゃん、リレー頑張ってね!」
「おうっ!任せとけ。」
父親参加の競技は各学年対抗の
リレーだった。
年少・年中・年長クラスの父親が、
それぞれチームになっている。
それぞれのチームに
職員も何人かずつ入るのだが…
「お袋、プログラムあるか?」
「プログラム?はい、これ…」
プログラムであいつをチェックする。
あいつ…あのけん先生とかいう
ナンパ男は年長クラスのチームだった。
ぜってぇぇぇぇ負けねぇ‼︎
「光平!笑未!
ぜってぇ優勝してくっからな。」