第32章 -運動会-
昼休憩が終わり、
オレにとっちゃこっからが本番だった。
入場門に父親たちが集まる。
学年ごとだから、
去年も一緒に走っているので、
なんとなく皆覚えていた。
「おっ!修造くん!今年も頼むよ!」
「修造くんがいれば、
今年もオレら優勝だな。」
「よろしくお願いします。
絶対優勝しましょうね。」
オレは横目で年長組を見ると、
ナンパ男もこちらを睨んでいた。
心なしか今年は父親というより、
兄貴か?すげぇ若い奴が多い気がする…
まぁ、幼稚園児の父親は、
最近は若いけど…
「去年修造くんが圧倒的に速かったから
今年は父親よりもお兄さんとか
親戚の若い人が多いみたいなんだよ。」
そうなのか…?
でも、若ければいいってもんじゃねぇよ。
帝光バスケ部ナメんな。
オレは地獄の練習を思い出す…。
オレは引退したとはいえ、
今も筋トレとランニングは続けている。
「そうなんですね。
でも、オレは負けません。」
リレーの走行順を決め、
オレはアンカーになった。
「修造〜っ‼︎頑張ってねー‼︎」
ひかりの声援が聞こえたので、
オレは手をあげてこたえる。
「おっ!彼女〜?やるなぁ。
しかも、可愛い!いいなぁ。」
「いや…あの…。」
やべぇ…
人に言われるとやっぱり照れる。
「あんな可愛い子が応援してくれたら、
そりゃ頑張れるよなぁ。
うちのかみさんと交換してほしいわ。」
おいっ‼︎