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〜虹村 修造のお話〜

第32章 -運動会-


「お前、ここの保育士かよ⁈
園児の関係者ナンパするなんて
いい度胸してんじゃねーか!」


オレはジャージ男に詰め寄る。


「ちょっ…修造っ⁈」


「いや、ナンパとかじゃ…」


「けん先生?
そっち終わったらこっちも…
あら?たしか光平くんと笑未ちゃんの…」


「あ…どうも。」


光平と笑未の担任がナンパ保育士を見つけて、
オレらのほうへ駆け寄ってきた。



たしか双子たちの担任の…
みどり先生だったか?



「光平くんと笑未ちゃんのお兄さん?」


「あん?そうだけど?
あー。みどり先生、
この先生、園児の関係者、
ナンパしてたんすけどー。」


「ちょっ…修造ってば…。」


「ち…ちが…っ。」


「ちょっと、けん先生、また〜⁈
自分がフラれたからって、
園児の関係者にまで手を出さないでっ!
ごめんなさいね。
ほら、けん先生!行くわよ!」


ナンパ男はみどり先生に
引きづられて行ったが、
名残惜しそうにひかりを見ていた。



あんな奴、保育士やって大丈夫なのか?




「別にナンパされてなかったよ?」


オレをなだめるようにひかりが言う。


「いーやっ。あれはナンパだった!
みどり先生だって
「また」って言ってただろ?」


「まぁ、そうだけど…。
きっとあの先生だよね?
笑未ちゃんが前に言ってた、
フラれちゃった体操の先生…って。」



ひかりが苦笑しながら言う。



「そういや、言ってたな。
あんな奴だから仕方ないんじゃね?」


「もう。そういう言い方しないのー。」



そんな会話をしながら、
オレとひかりはお袋の所へ戻ったが、
オレは密かにあのジャージ男や、
他の父兄を警戒していた。

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