第32章 -運動会-
校庭では着々と準備が進められ、
マイクテストしたりと、
バタバタしていた。
周りもだいぶ人が増えてきていて、
今か今かと皆待ち構えていた。
「ちょっとお手洗い行ってくるね。」
「大丈夫か?一緒に行くか?」
「たぶん校舎のほうだよね。
大丈夫だと思うから行ってくるね。」
そう言うとひかりは
1人で校舎のほうへ行った。
「ひかりちゃん…本当にいい子ね。」
…⁈
「あ…?…あぁ。」
改まってお袋と
ひかりのことを話すのは
なんだかこっぱずかしい。
「お父さんのお見舞いばかり
気にしなくていいから、
たまには修造も
デートとかしてきていいのよ?」
「な…っ⁈」
「ふふ…。
それくらいで照れてどうするのよ?
お父さんそっくり…。」
いや、照れるだろ⁈
親父のことがあって、
家族公認というか家族同然のように
ひかりもいつも一緒だから、
今日もひかりを運動会に誘えたが、
何もなければ、オレはお袋たちには
ひかりを紹介できていなかったと思う。
「ひかり!
ひかり遅ぇよな。探してくる!」
その場にいるのが
恥ずかしいのもあったが、
ひかりが遅すぎる…。
オレはひかりを探しに校舎へ向かった。