第31章 -病室-
ガチャ…。
「こんにちは。」
おっ…ひかりか…。
「あら、ひかりちゃん♪いらっしゃい。
いつもありがとうね。
リハビリもう終わったの?」
「はい。今日はなかなか順調でした。」
親父の見舞いに来てくれている間に、
ひかりは膝のことなど、
少しずつお袋たちに話していたそうだ。
親父とお袋はひかりの膝のことを
いつの間にか知っていた。
「お疲れ。悪いな。」
「ぜーんぜん♪
あ、おじさま、これ、お見舞い。」
ひかりはアクエリアスを親父に渡す。
「あぁ。ありがとう。」
「あれ?2人とも元気ないね。
どうしたの?」
いつもならひかりが来たら
真っ先に飛びつく双子たちだが、
今日はシュンとしたままだった。
「ごめんなさいね。
2人とも今ちょっとスネちゃってて…。」
「え…?光平くんと笑未ちゃんが?
珍しいですね…。」
ひかりは2人を見つめるが、
2人とも下を向いたままだった。
「じゃ、ひかりにも見に来てもらうか?」
「「……!」」
おっ…2人ともちょっと反応したな…。
「見るって…何を…?」
「今度こいつらの運動会があるんだよ。
ひかりも見に来ないか?」
「いいの?見たい見たい‼︎」
「ほんと⁈ひかりちゃん、見たい⁈」
「うん!笑未ちゃんたちが
頑張ってるトコ見たいよ。」
「笑未、ひかりちゃんにも見てほしい!」
よし。笑未は大丈夫だな。
「ひかりもお父さんじゃないもん。」
光平…。