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〜虹村 修造のお話〜

第31章 -病室-


「お父さん、
明日はおうちに帰れる〜?」


「明日は難しいなぁ。」


「じゃあ、その次の日〜?」


「う〜ん。
お父さんも帰りたいんだけどなぁ。」


「2人とも…。
お母さんもお兄ちゃんも
ちゃんと行くから大丈夫よ。
ビデオも撮るから、
お父さんには後で見てもらえるのよ?」


「でも、
お父さんが出るやつもあるんだよー。」



ガチャ…。




「ん?何騒いでんだ?」


土曜日、オレが親父の病室に行くと、
双子たちがいつも以上に騒いでいた。


「あ…。修造。」


「どうしたんだよ?」


「今度の運動会のことよ。
お父さんにも来てほしいって。」



運動会か…。
去年は親父の一時帰宅が許されて、
双子が出る時だけ見たんだったな。


父親参加のリレーはオレが出たっけ…。


今年はさすがに無理だろう…。



「光平!笑未!
父親参加のリレーならオレが出るから。
1位なんか余裕だぞ?」


「お兄ちゃんは
お父さんじゃないもん。」


「お兄ちゃんは好きだけど、
お父さんがいいんだもん。」



珍しくこいつらが頑固だ…。
こいつらの気持ちもわかるが…。




「幼稚園でお友達が
皆お父さんの話をしてて、
ちょっと淋しくなってるみたいなの。」



お袋がそっとオレに耳打ちをする。





トントン…。


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