第26章 -決心-
「夜はまだちょっと冷えるね。」
オレがなかなか話せないでいると、
ひかりが先に口を開き、
優しく手を握ってきた。
「わりぃ。すぐ話す。」
待たせたら悪いよな…
「いいよー。ゆっくりで。
こうしてればあったかいもん。」
オレの心の中を見透かしたように
ひかりはオレの腕に抱きつき、
くっついてきてくれる。
…っ⁈
「誰かに見られたらどーすんだよ?」
「誰かってー?」
ひかりはそんなこと
気にもしてないというように
オレを見上げる。
「あ〜もうっ‼︎わかったよ。」
オレは恥ずかしさを隠すために、
わざと強く言った。
とはいえ、ひかりの温もりは
あったかくて心地良い。
そのまま両手で抱き締めて、
キスしたくなるが、
まだ話が終わっていない。
「ひかり…。」
「なぁに?」
ひかりは優しい表情のまま、
オレに向き直る。
「主将……辞めた。」
「え……⁇」
暫く沈黙が続いたが、
沈黙を破ったのはひかりのほうだった。
「そうするかな…って少し思ってた。」