第26章 -決心-
「…?なんでだよ…?」
「ちょっとビックリしたけど…。
なんか…最近ちょっと違ったから。」
オレ、違ったか?
普段通りのつもりだったんだが…
「もう…コーチと監督にも話して、
部員たちにも正式に伝わった。」
「……そう。」
「悪い…また…ひかりに言わなかった。」
「…主将辞めたこと?
ちゃんと今言ってくれてるよ。」
「勝手に決めて事後報告だし、
前に話してくれないのは、
淋しいって言ってただろ?」
ひかりはゆっくりオレの手を握った。
「うん。
でも、主将のことは、やっぱり修造自身が
決めなきゃいけないことだから…。
ちゃんと決めたことを
修造から話してくれたから、
わたしは何も淋しくないよ。」
ニコッとしてオレを見上げ、
ひかりはまたオレの頭を撫でる。
オレはひかりを抱き締めた。
「もう…4番じゃねぇぞ?」
「うん。修造は何番でも似合うよ。」
オレに抱きつくひかりの力が
さらに強くなる。
「修造が主将でも主将じゃなくても、
皆今までと変わらないよ。
修造は修造のままでいいんだよ。
何も変わらなくていい。」
ひかりの優しさに救われる。
ひかりを放したくない…
心の底から、そう思った。